看護師にとって、手は患者さんに直接触れてケアを行い、命に関わる処置を施す最も重要な道具です。そのため、手指の衛生状態や爪の管理には他職よりも細心の注意を払わなければいけません。
まず爪の長さですが、これは感染対策の観点から厳格に管理されるべき項目と言えるでしょう。爪が伸びているとその隙間に細菌やウイルスが入り込み、石鹸による手洗いやアルコール消毒だけでは除去しきれないリスクが高まります。
また、処置の際に患者さんの繊細な皮膚を傷つけてしまう危険性や、処置用の手袋を突き破ってしまう恐れもあるため、常に短く切り揃えておくことが大切です。手のひら側から見て、爪の先端が見えない程度の長さを目安に、こまめに手入れを行いましょう。
ネイルについては、装飾目的はもちろん、透明なマニキュアでも原則として禁止している職場がほとんどです。マニキュアが剥がれて破片が患部に混入するリスクがあるほか、爪の色から自分の体調変化を把握する妨げにもなるでしょう。ジェルネイルなどは隙間に菌が繁殖しやすいため、医療現場では不適切とされています。
装飾を施す代わりに、看護師が力を入れたいのは手荒れの防止です。頻繁な手洗いや速乾性手指消毒剤の使用によって皮膚のバリア機能が低下しやすく、ひび割れや手荒れが生じやすくなります。
荒れた皮膚には菌が定着しやすいため、低刺激のハンドクリームなどで保湿ケアを行い、健やかな皮膚状態を維持しましょう。ただし、ベタつきの強いクリームは処置の邪魔になることがあり、使用感にも配慮が必要です。清潔で手入れの行き届いた手元は安全な医療を提供する基本であり、患者さんに対する誠実さの証でもあります。