医療現場には、さまざまな疾患や体調不良を抱えた患者さんが集まっています。特に病状が思わしくない時期は五感が過敏になり、普段なら気にならないような些細な刺激が苦痛に感じられることも珍しくありません。
その中でも特に注意が必要なのが、香りの管理です。香水やコロン、香りの強い柔軟剤や整髪料などは、医療現場にはふさわしくありません。強い香りは吐き気を催させたり、頭痛や不快感を誘発したりする原因になることがあります。看護師自身が良い香りと感じていても、閉鎖された病室内では大きなストレス要因になりかねないことを把握しておきましょう。
また、近年では化学物質過敏症への理解も進んでおり、無香料を基本とすることが推奨されています。自分の体臭やタバコの臭いについても同様の配慮が必要であり、清潔な状態を保つことが大切です。
次に、指輪やネックレス、ピアスなどの装飾品についても多くの現場で制限が設けられています。これらは一見小さなものですが細かな溝に汚れや細菌が溜まりやすく、不衛生な状態を招く原因となりかねません。
処置中に患者さんの医療機器に引っかかって事故を引き起こしたり、介助の際に患者さんの皮膚を傷つけたりする物理的なリスクもあります。ネックレスが処置の邪魔になったり、ピアスが落下して紛失したりすることも避けるべき事態です。
腕時計についても、手首の洗浄を妨げないよう防水機能のあるものを選んだり、ポケットに装着できるナースウォッチを活用したりする工夫が求められます。個人のファッションを楽しむことよりも、目の前の患者さんが心身ともに安らげる環境を整えることを最優先に考える姿勢が、真のプロフェッショナルとしての振る舞いと言えるでしょう。